【読書感想】本を読む本 M.J. アドラー/C.V.ドーレン 外山滋比古/槇美知子 訳

1978年発刊。アメリカでは1940年に発刊されている。現在でも、評価の高い本です。

要約
読書についてのルールをまとめた本。特に良著と現在も言われる本を深く理解するための規則を段階ごとにまとめている。本を読む際の心構えからシントピカル読書と呼ばれる研究のため、1冊の本の主張を補完するように読書をすることも解説をしている。

この本は、読書をするときの積極性についての解説から始まる。それは、読書とは著者と読者の対話(コミュニケーション)、それは受け手である読者がどれだけ著者の言おうとしていることを理解できるのか?ということ。この本では、読者の積極性と技術の熟練度が大切だと解説しています。

また、読書の目的についてや読書を始める段階でその本を分類することもルールの一つにされています。それは、目的により注目する点が変わる(読み方が変わる)ことにつながり、分類はその本を理解するために重要な入り口になるとしています。

私自身は、最近本を理解することに対する積極性はとても重要だと特に感じます。これは、ここ1ヶ月の間に「脳科学」に関係する本を数冊読んでいることが関係しています。「脳科学」と一口に言っても、理論的な本と脳の部位など知識を得る本があります。

知識は、比較的暗記に近くその事実をベースにだからどうなのだろうか?であったり、こうなのではないかといくつかの視点で考えたりすることがあります。それがとても楽しい。その知識を人に披露するのも楽しんでいます。知識を得る読書はこれで良いと思っています。

そして、理論に関してはそのテーマが生まれた背景や最終的な著者の主張を理解してそこに通じるその主張が深く表現されている章を深く読むようにしています。それは、結論を理解することで、他の章が何を伝えたいのかが理解できると考えているためです。

私としては、選別をして重点的な理解のための読書をすることできちんとその本が書かれた意味を汲み取りたいからです。馴染みのないジャンルの本は読みづらく、理解がしづらいので特に時間をかけます。(用語をネットで調べることもよくします。)

ブログに書評を書くようになってからはさらにそれが強くなり、確実な意図が伝わる構成で書けるようになることを意識しています。

また、この本ではすべての本がこの読み方に当てはまるとは書かれていません。内容がタイトルだけで理解できるような本もあります。そんな本は重要だと考える部分を集中的に読むだけでも良いのではないかと思います。

規則を守って読書に望むのは、基本的に良著と呼ばれている本が中心です。経済で言えば、アダム・スミス「諸国民の富」ダーウィンの「種の起源などの後世にも影響を与えた重要とされる本たちです。時系列で読むことで、どれだけの影響が生まれたかなど歴史的な部分も理解できるような本。また、現在でもビジネスで影響を与えた本「ブルー・オーシャン戦略」などもこれにあたります。

また、この本の中でもある分類の中で研究を進めるにあたっての規則シントピカル読書についての解説があります。以前、「独学の技法」の中にあった読書を展開するときのルールにも似ています。そのルールの基礎となると考えてみると、より読書のルールが定まってくるのではないかと思います。

巷には、読書法があふれています。いくつかの本を読んでみても、原点になりうるのはこの本ではないかと思います。

読書をすることで、引き出しを増やす(情報を得る)また理論を理解する(考え方、思考を学ぶ) ことはきっと自分の発する言葉や行動に良い影響を与えてくれると考えています。

これからも、読書を重ねていくことで熟練度を上げていきたいと考えています。 書評もいろんなパターンで書き良い部分また賛成できない部分も書いていきたいです。


ちなみに、文学についての読み方も書いてあるので文学をよく読む方は一度目を通してみてはいかがでしょうか?