駆け込みでプラド美術館展に行った話。

プラド美術館展 ポスター

出典:プラド美術館展 公式サイト

プラド美術館展の感想から。

5/27(日)で国立西洋美術館での開催が終わってしまうということで、見てまいりました。率直な感想は「行って良かったなぁ。」と「もっと解説があったら良かったのに。残念。」でした。

 

恥ずかしいのですが、正直な話僕自身絵画に関して知識がありません。なので、絵を見たときの感想は「デカイ!」とか「キレイ!」とか「上手い!」など単純な形容詞で表現する程度。

 

でも、今回のプラド美術館展は楽しめました。空いていたので、遠くからも間近で見ることもできました。もう一つは、同じ対象を違う画家が描いている作品が並べて展示されていることもあって比較ができたりや違いを見ることができた。あとは、自分の知らない画家の作品を新しく知ることができたのも大きなポイントです。

プラド美術館展の特徴

プラド美術館。スペインのマドリードにあるスペイン王室のアートコレクションを展示する美術館で、コレクションは油彩を中心に約20,000点を超えるそうです。

 

その中の作品約70点が今回日本で展示されます。特に今回の開催の中で積極的に宣伝していたのが17世紀スペインを代表する宮廷画家「ディエゴ・ベラスケス」の作品が7点見られますってところです。過去最多の作品が見られる稀な機会ですとのこと。

 

そのほかにも「ピーテル・パウルルーベンス」「バルトロメ・エステバン・ムリーリョ」「フランシスコ・デ・スルバラン」の作品を見ることも出来ます。

 

特に重要とされている作品。特にベラスケスは後世に大きな影響を残した偉大な画家と言われている人のため、その作品は一見の価値があります。

ディエゴ・ベラスケスの作品 これは見れて良かった!

この展示会の軸となる画家「ディエゴ・ベラスケス」の絵で、見ることができるオススメの作品はこちら。

ディエゴ・ベラスケス《東方三博士の礼拝》

ディエゴ・ベラスケス《東方三博士の礼拝》 1619年 マドリードプラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado

オススメするポイントは5つです。

  • ベラスケスが宮廷画家になる前の作品。
  • ベラスケスの周辺の人(奥さんや子供など)がモデルになっている。
  • ベラスケス作品の中に宗教画って以外に少ない。(肖像画が主)
  • 展示会場で解説が付いている。(ほぼ、他の作品は付いていない。)
  • 同じ話をモチーフに他の有名な画家も作品を製作している。

新約聖書に出てくる話をモチーフに描いている作品なんですけど、あの「ダ・ヴィンチコード」でさらに有名になった「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も同じ話で描いています。ほかにも有名な画家ですと、「ルーベンス」「ムリーリョ」も描いています。

同じ題材をどのように表現するかは、画家としての力量を競い合う面を持っていたのではないかと言われています。(本当にたくさんの画家が描いています。)

個人的なオススメの作品!

「城のある港湾風景」 パウル・ブリル

1601年頃  油彩 銅板 

城のある港湾風景:パウル・ブリル

出典:wikipedia

フランドルの画家「パウル・ブリル」の作品。いくつか並んでいる作品の中でも一際小さい作品。ただ、「とても綺麗。」発色も良く、細かいところまで丁寧に描かれているのでこの作品の画家はとてもな細密に描かれています。

 

展示作品は基本的にカンヴァスを使用した作品が多い中、銅板に描かれている作品です。17世紀から良く使われるようになり、使いやすい素材で持ち運びに便利だったため、布教活動などに使われたとか。

 

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ディエゴ・ベラスケス 《マルス》 1638年頃 油彩、カンヴァス 179×95cm マドリードプラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado

 

ベラスケス作品の中では「マルス」はおすすめです。ギリシャ神話に出てくる軍神マルス。軍神が裸体で描かれています。この絵は、ベラスケスが過去に描いた「ウルカヌスの鍛冶場」の続きでは?と言う話もあります。

 

「ウルカヌスの鍛冶場」はオリュンポス12神の一人アポロが鍛冶屋の神ウルカヌスにウルカヌスの奥さんである愛と豊饒の神ヴィーナスが軍神マルスと浮気しているよと伝えている場面と言われています。それを聞いたウルカヌスは、2人を罠に嵌めてその様子を神々たちが笑うと言う話。

この絵は、罠に嵌められ笑われた後の軍神マルスの様子では?と考えられています。絵に関連性を考えると楽しみ方も変わりますね。

プラド美術館展のまとめ

今日は、比較的空いていたのでちょっと厳粛な雰囲気を感じながら、ゆっくり見ることが出来ました。「ベラスケス」の作品を間近で見る機会が得られたことに感謝です。17世紀のスペイン美術史について知識があるともっと楽しめたのかなと。次の鑑賞する時は最低限知識を入れて行こうと思います。

 

グッズは、トートバックやTシャツをはじめオリジナルラベルのワインやお菓子、後は定番のマグネット・ポストカード。全ての作品のポストカードがあれば良かったんですけど一部の有名な作品ののみでした。

 

追記:

東京での開催は、国立西洋美術館の常設展も無料で見ることが出来ました。ちょっと足早にぐるっと見ただけですが、モネの「睡蓮」なども見ることが出来ました。常設展も¥500なら安いと思います。ふらっと行ける場所としていいかもしれません。入場しなくてもロダンの「考える人」や「地獄の門」等の作品も見れます。